「グローバル化への対応」

加藤治彦

 ~グローバル化は歴史が生み出した必然だった~

 グローバル化の影響は、実際に世界に進出する企業だけの話ではありません。今の経済が全世界を対象にした動きに左右されるようになっていることから、国内市場中心での業務展開でもグローバル化への対応は必要不可欠となるのです。

 ●グローバル化を正しく理解する
 第二次世界大戦以降続いた米ソ冷戦によって二極化されていた世界は、1989年のベルリンの壁崩壊を境に東側陣営が崩壊し、米国に一極化された世界が展開されました。米国へお金と人が集中し、一時はグローバル化というと米国を基準とした取り組みとなりました。
 冷戦終了後、中国を初めとして市場経済に移行し、ほぼ世界のすべてが資本主義経済を進めることとなりました。その一方、資本主義は、自由経済さらにマネー資本主義にまで展開され、貧富の差を大きくする事態にまで至り、その限界が危惧される時代になってきています。
 米国では、軍事産業に取って代わる産業としてIT産業に力を入れ、情報化の時代を迎えることとなりました。今では、世界での出来事が一瞬にして伝わる環境が出来上がっています。
 こうした事象が重なり、従来の欧米中心から新興国中心へと、経済の流れは完全に変化しました。BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)抜きに世界経済を考えることはできなくなり、さらにインドネシア、ベトナム、メキシコ、トルコ、ナイジェリアなどの国々が、次の発展へ向けて活性化してきています。全世界を対象にした事業展開の時代になってきたのです。

 ●グローバル時代への対応
 全世界を対象として企業経営を考えなければなりません。各地域にはそれぞれの状況に差があり、ニーズが違います。さらに各国にはそれぞれの文化や慣習などが存在します。
 グローバル化に対応するということは、消費傾向の多様化とはスケールの違う多様化に対応しなければいけない時代がやってくるということです。

 ●もう一つのグローバル化
 消費のグローバル化とともに生産のグローバル化が始まります。消費地に近い場所での生産は必須です。運用するスタッフについてもグローバル化が進みます。すでに一部の企業では、設計開発や事務作業のグローバル化も進み始めています。